日本では、男女共同参画を推進するために、1999年に男女共同参画社会基本法(平成11年法律第78号)が制定されました。この法律に基づき政府が策定した男女共同参画基本計画(以下、基本計画といいます)は、現在第3次基本計画(2010年12月17日閣議決定)が策定されています。第2次基本計画では、施策の基本的方針として、社会のあらゆる分野において、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%程度とするとした目標を定めました。第3次基本計画では、この目標の達成に向けた取組を推進するとして、①中間目標の設定やクオーター制を含む多様なポジティブ・アクションを分野や実施主体の特性に応じて推進することとされました。
ポジティブ・アクションは、男女間の格差を改善するため必要な範囲内において男女のいずれか一方に対して提供される措置として「積極的是正措置」と定義されています。アメリカやオーストラリアなどではアファーマティブ・アクションと呼ばれており、日本ではEU諸国などと同様にポジティブ・アクションという言葉を用いています。ポジティブ・アクションには様々な手法があり、その一つがクオーター制です。クオーター(quota)とは、英語で割当て、分配などをさし、4分の1を意味するクォーター(quarter)とは異なります。
ポジティブ・アクションの適用範囲は多様であり、政治分野や経済分野のみならず、行政分野や教育・学術分野、公契約・補助金分野などにも及びます。近年、欧米諸国やアジア、アフリカ諸国では積極的に政党型クオーター制をはじめとするポジティブ・アクションが導入され、女性議員の割合が増加しています。
~本文より~
『企業実務』 №735 日本実業出版社
クオーター制の「政治分野」と「経済分野」について執筆しました。
様々な社会の方針決定には、できるだけその社会の多様な構成比を反映することが重要です。
クオーター制について一緒に考えてみませんか?
更新日:2014年4月21日