ワークライフバランスというと仕事と育児の両立を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。 就業規則に介護規定はあっても社内に取得した人はまだいないという人事の方や、同僚に介護をしている人はいないという社員の方が多数ではないかと思います。
育児介護休業法には、介護休業という制度があります。
しかし、介護は育児と違って始まりだけでなく、終わりも予測することができません。
子育ては大変さの中にも子供の成長という喜びがありますが、介護は終わりのない暗いトンネルに迷い込んでしまったようで、人に話したくない、話しづらいといった声も聞きます。介護者の介護うつや老老介護の問題も深刻化しています。
2005年(平成17年)には、世帯主が75歳以上の世帯は全世帯比の1割(11.3%)程でしたが、2020年(平成32年)には18・7%、2030年には22.7%まで増加することが予想されています。
高齢者が増えることは人口推計などからある程度予想されていましたが、介護者側の家族構成の変化は想定外だったかもしれません。1人っ子や単身者が増え、介護家族がいなくなってしまっているのです。誰もが直面する可能性のある介護の問題に会社も個人も備えておく必要があるのです。
介護退職は国・個人・会社にとって大きな損失となります。
(独)労働政策研究・研修機構の研究報告書(№135)によると、男女ともに正社員が平均年齢50歳以上の企業では、介護休業規定そのものを整備している企業が3割代と、非常に低い水準にとどまっていることが報告されています。
社員の年齢が高いということは親の年齢も当然高く、介護に直面する可能性が高いにもかかわらず、仕事と介護の整備が遅れているのです。制度整備を進め、実際に使えるような運用を行うことが重要です。
東京都葛飾区総務部人権推進課発行
葛飾男女平等推進センター「LooP」
『仕事と介護の両立支援』について執筆しています。
ぜひお役立てください。
最終更新日:2014.5.13