事業所に対し医師による従業員へのメンタルヘルスチェック等を義務付ける労働安全衛生法の改正が予定されています。平成23年12月2日、労働安全衛生法の一部を改正する法案が第179回臨時国会に提出され、現在は継続審議とされました。
衆院解散、審議未了により廃案になりました。
我が国の自殺者数は、平成10年から13年連続で3万人を超える高水準で推移しています。人口10万人当たりの自殺による死亡率(自殺死亡率)も欧米の先進国と比較して突出して高い水準になるなど極めて深刻な状況にあります。
このような状況を踏まえ、厚生労働省内に平成22年1月、「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」が設置されました。プロジェクトでは、職場におけるメンタルヘルス対策が重点の1つとされ、メンタルヘルス不調者の把握と把握後の適切な対応について検討されました。
また、新成長戦略(平成22年6月18日閣議決定)において、『2020年までに「メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合を100%』とする目標が掲げられました。
さらに国家戦略会議にて日本再生戦略(平成24年7月31日)が策定され、2020年までの目標はそのまま引き継がれ、2015年度の中間目標として『メンタルヘルスケア取組事業所割合を67%』とするとされました。日本再生戦略は11の成長戦略と38の重点せ施策で構成され、メンタルヘルスはこの中で「生活・雇用戦略」に位置づけられています。工程表には、『改正労働安全衛生法の周知啓発の徹底』が2012年度に実施すべき事項に盛り込まれており、改正が近く行わらることを視野にメンタルヘルス対策に取り組むことが求められています。
メンタルヘルス不調に影響を与える職場のストレス要因等について、早期に適切な対応を実施するために、労働者の気づきを促すとともに、職場環境の改善につなげる新たな枠組みが盛り込まれる予定です。
労働者がメンタルヘルス不調にならないための予防的な観点からの取り組みを総合的に推進することがますます重要になります。
①長時間労働の抑制等の働き方の見直しに向けた取り組み
②メンタルヘルス不調者への適切な対応
③休業した労働者の職場復帰 等
医師等と契約し、保健指導や健康相談などの産業保険サービスを従業員に提供できない、従業員が50人未満の事業場に産業保健サービスを無料で提供する機関です。
<主な業務>
(1)健康相談業務
健康診断の見方、健康づくりのアドバイス、メンタルヘルスの進め方等の相談を行う。
(2)事業場の訪問
医師や保健師が事業場を訪問し、健康診断結果に基づいた健康管理指導を行う。作業環境改善アドバイスも行う。
(3)産業保健情報の提供
労働衛生や医師会などの情報提供などを行う。
主に50人以上の事業場等を対象に、そこで働く労働者や事業主等、衛生管理者や保健師、産業医などの産業保健スタッフに対して、様々な指導や相談を無料で行う機関です。
<主な業務>
(1)産業保健情報の提供
産業保健活動に関する情報の提供や仕組み、体制づくりなど企業での産業保健の取り組みに関する指導、助言を行う。
(2)メンタルヘルスに関する相談
労働者の病後、復職後の健康管理に関することなどメンタルヘルスの専門家に相談することができる。メンタルヘルス対策推進センター開設。
(3)産業医等の援助
産業医等が判断や対応に困った際も相談することができる。
厚生労働省のインターネットによる情報提供窓口です。労働者、家族、事業者、上司・同僚、産業医等の支援スタッフに対して様々な情報が提供されています。