万一、実家の両親に何かあり救急車を呼ぶような事態になったらどうしますか?遠距離にいる場合、救急隊や病院からすぐに連絡が入る体制は整っていますか?緊急の連絡が入った場合、すぐに駆けつけられますか?距離的な問題も含めて、社会的に責任ある立場にある年代の方が多いと思いますので、すぐに病院や実家に駆けつけられないこともあるでしょう。だからこそ、近所の方々の手を借りなければならないこともありますし、救急隊がすぐに状況を判断できる情報を準備しておくことも必要です。そのためには平常時に、かかりつけの医者のことや服用している薬のこと、ご近所の状況なども話しあっておくことはとても大切なことだと思います。
つい最近、親族に夜中に救急車を呼ぶ事態がありました。母が病院まで付き添いましたが、緊急だろうとなんだろうと「健康保険証」と「お薬手帳」の提示を求められたそうです。お薬手帳は複数冊ある場合もありますので、1冊にまとめておくことも必要です。
もしもの時のための安心キットをご存知ですか?『緊急医療情報キット』です。近年、自治体などで積極的に活用しているところも増えているようです。私の実家のある自治体では町内会を通じて無料で配布しています。
高齢者や障害者などの安全・安心を確保するため、かかりつけ医や持病などの医療情報や、薬剤情報提供書の写し、診察券の写し、健康保険証の写し、本人の写真(任意)などの情報を専用の容器に入れて、自宅に保管しておくことで、万一の救急時に備えることができます。持病や服薬等の医療情報を確認することで、救急隊が適切で迅速な処置が行えること、また緊急連絡先の把握により救急情報シートにない情報の収集や親族などのいち早い協力も得られます。キットに保管しておく健康保険証や診察券などは日常使用することもありますから写しで十分です。また、娘や息子などの緊急連絡先書き込む欄もあります。
救急医療情報キットの保管にはルールがあります。
(1)シールは玄関の内側に張る
(2)キットは冷蔵庫に保管する。シールと同じマグネットがあれば冷蔵庫にも張る。
(3)緊急情報は常に最新の情報に書き変えておく。
なぜ冷蔵庫に保管するのでしょうか?私も母に尋ねました。
冷蔵庫はどこの家庭にもあり、そして台所にあるのですばやく情報をみつけることができるからだそうです。
高齢社会がますます進む日本では、男性も女性もビジネスキャリアを積んでいくためには、育児だけでなく介護との両立支援が欠かせないと感じています。また、介護を受ける人だけでなく、介護する人へのメンタリティのサポートの大切さも痛感しています。「遠くの親戚より近くの他人」が何より有り難い存在になることもあります。ただ、ご近所を見回しても高齢世帯ばかり・・・。社会全体で高齢社会を支えるシステムやお互い様精神がますます求められるように思います。