サウジアラビア(首都:リヤド)といえば、「絶対君主制国家」や「世界一の原油埋蔵量を誇る国」などのイメージが浮かびました。宗教上の理由から、社会における女性の役割にも大きな制約がある国という印象もあります。
オリンピックにおいても長年女性の参加は認められておらず、ロンドンリンピックでカタール・ブルネイとともに、初めて女性の参加が認められたことで、誇らしそうに開会式で入場行進をしていた女性選手の姿も記憶に新しいところです。
そんなサウジアラビアに女性議員が誕生するとうニュースです。アブドラ国王は、国政の助言機関である諮問評議会(150議席)の 次期議員に女性30人を任命したとのことです。近く始まる新たな任期から活動するそうです。今までサウジアラビの議員は男性に限られており、女性議員が誕生するのはもちろん初めてです。
国王の勅令(※)では、評議会議員の少なくとも20%は女性に割り当てるように規則を改正。定数150人のうち5分の1ではありますが、これはサウジアラビアの大きな一歩になるのではないかと思います。
(※)国王などの君主が直接発する命令・法令のこと
世界経済フォーラムから毎年発表されている世界各国の男女格差に関するレポート「The Global Gender Gap Report」は、経済活動への参加、教育、健康、政治への関与という4つの指標を用いて各国を順位づけしています。調査対象135カ国中日本は101位【2012年)と非常に低い順位に甘んじています。これは、下記1.経済活動への参加と機会及び4.政治への参画が進んでいない理由によります。教育水準が高く、寿命も世界トップクラスであるにもかかわらずです。
サウジアラビアは135カ国131位(2012年)。政治への関与のスコアはもちろん、「0.0000」、日本の政治への関与のスコアは「0.0705」。今回のサウジアラビアの規則の改正によ初の女性議員が誕生したことのより、どのようにジェンダーギャップ指数に表れてくるでしょうか。非常に興味深いところです。
1位 アイスランド
総合指数0.8640/経済0.7540 教育1.0000 健康 0.9696 政治0.7325
2位 フィンランド
3位 ノルウエー
(中略)
100位 マレーシア
101位 日本
総合指数0.6530/経済0.5756 教育0.9869 健康 0.9791 政治 0.0705
102位 ベリーズ
(中略)
131位 サウジアラビア
総合指数0.5731/経済0.3404 教育0.9757 健康0.9762 政治0.0000
サウジアラビアと同じく今後注目していきたい国は、初の女性大統領が誕生した韓国です。現在韓国は135国中108位(2012年)と、OECD加盟国では日本と同様に低い順位ではありますが、女性活躍推進への取組の速度は日本よりもスピーディーかつ積極的に行われています。